ニューヨーカーとサングラス

日中のジリジリと照りつける日差しに、夜のまったりとした暑さ… ようやくニューヨークにも本格的な夏が到来した模様。

学校に向かう朝のグランドセントラル駅までの道のりで、ふと感じたのが、「あれ…サングラス率が高まってない?」ということ。道ですれ違う人、交差点で赤信号を待つ人、その多くがサングラス姿だった。 パッと見ても、75%以上!

そしてまた驚くことに、オフィススタイルの男性もサングラスを身につけている。日本にいた時は、スーツ×サングラスの組み合わせなんてほとんど見たことがなかったから、これにはちょっとしたカルチャーショック! だって日本で、スーツにサングラスという出で立ちで出勤なんてしてしまったら、「お前、何カッコつけてんねんっ!」て言われてしまうでしょ? ところが、これがニューヨークでは、もはや常識とは言わんばかりに、みんな平然としている。

違和感のある組み合わせなのに、それが不思議と馴染む理由って何だろう…?

おそらくニューヨーカーには、“サングラス=オシャレアイテム”という意識がないのかもしれない。 夏の日差し、特にマンハッタンの高層ビル群からの照り返しや紫外線から目を守る“お助け役”という感覚なのだろう。(そもそもは、それがサングラスの意味なのだけど…) ポロシャツにサングラス、スーツにもサングラス、オシャレのためというより、夏の必需品だから、さらっとかけている感じ。 だからこそ、気取ってない、自然体な雰囲気が出るのかもしれない。そして、そのカッコつけてない感が、逆にカッコイイ。

ちなみに、流行や他人の服装を気にしないはずのニューヨーカーの4割が、レイバンの『ウェイファーラー』を愛用しているという話を聞いた時は驚いた。ウェイファーラーといえば、女子的にぱっと思い浮かぶのが、映画『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘップバーンが黒のロングドレスに合わせた斬新な組み合わせだけど、男子的にいえば、数々のロックミュージシャンやアーティスト、著名人が纏っていた姿だと思う。

ボブ・ディラン、ジェームス・ディーン、アンディ・ウォーホル、ジョン・F・ケネディ…バカンスには必ずと言っていいほどお供にしたジョン・F・ケネディ大統領やレコーディング中もウェイファーラーを外さないボブ・ディランの写真が出回るにつれて、ウェイファーラーは”自由の象徴”と言われるようになり、それもアメリカ人の自由を尊重するマインドに響いたのかもしれない。

話はそれてしまったけど、 嫌味なく、爽やかにサングラスを身につけるニューヨーカーとすれ違う度、日本でもスーツ×サングラスが似合う男性が増えてくれたら、素敵だなって思う。

PROFILEプロフィール

横山理恵 ー Rie Yokoyamaファッションエディター

大学卒業後、アパレル会社に就職。その後、ヨーロッパの歳を重ねるほどにカッコよさを増していく大人たちに憧れ、ファッション誌編集者を志す。NIKITA編集部勤務後、フリーランスエディターに。雑誌Domani、VERY、LEONの他、ファッションカタログに携わり、現在、ニューヨークに留学中。FIT(N Y州立ファッション工科大学)にて、ファッションビジネス、ハットデザインを学ぶ。女性誌Domani(小学館)にて『meは何しにN.Y.へ?』連載中。

横山理恵

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