ニューヨーカーはアレも早い!

最近引っ越したアパートには、エレベーターがない。
歩くたびにギシギシと音がする、築80年の建物。ウォークアップの5階だから、忘れ物をした日はもう大変。どうにもこうにも体が重くて、階段の途中でひと休みしたことも…。久しぶりに体重計に乗ってみると、10ポンド(約4.6kg)も増えているではないか!

「夏までに体を引き締めるんだ」
そう誓ったその日から、ジム探しの旅に出た。いくつかのクラブを見学した後、決めたのは『Equinox』。 ここは、ニューヨークのおしゃれジムの代名詞になっている場所。窓が大きいラグジュアリーな内装&アメニティ、新感覚のレッスン、一流のトレーナー、ホスピタリティ、併設のジュースバーやウェアショップ、そして通っている人々…、そのすべてがパーフェクト。ここなら三日坊主になりがちな私でも、続く気がした。

ちなみに、“Equinox”とは、春分・秋分を表す時に使われる言葉。“equi”(等しいを意味するequal)+“nox”(夜)から派生した単語で、“昼と夜の長さが等しい”ことを意味する。要は「バランスの取れた日々を送ろう!」がコンセプトなのだと思う。ジムの広告もよくありがちなBEFORE⇔AFTERの筋肉ムキムキな感じではなく、テリー・リチャードソン等の著名フォトグラファーを起用したファッションコンシャスな広告が毎回話題を呼んでいる。
あるときは、真夜中のビーチパーティ、あるときは、下着姿の男女がたわむれる写真だったり…。

ニューヨークに住んでいると、「おしゃれなニューヨーカーに囲まれてていいね」なんて言われることも多いけど、はっきり断言する。
「東京の男性の方が、ファッションに気を遣っている人が多いよ」と。
でも、このジムは別。通うのが楽しくてしょうがなかった。

数日すると、ニューヨーカーのフィットネス事情が見えてきた。
それが“1時間以内に退散”。
1日にいくつもの予定を組み込むニューヨーカーたちは、ささっと汗をかき、一目散に帰っていく。1番混むのは、なんと出社前の朝7〜8時。続いて、お昼休憩の合間。ある日、「次の打ち合わせがなくなったから、15分筋トレしに来たよ」という会話が聞こえたのだけど…15分って…スタバに行く感覚?
逆にトレーニングマニアみたいな人は少なくて、シャワーを浴びたり、コーヒーを飲んだりするのと同じで、日々の日課にしているのだと思う。

ちなみに、彼らのジムウェアは白・黒・グレー。
まるで制服かというくらいに、辺り一面がストイックな配色でいっぱい。
Allブラックの人もいるし、グレー×白のグラデーションの人もいるし、無地の人も、ロゴTの人もいる。ほとんどのEquinoxには、ウェアを売っているショップが併設されているのだけど、そこもほぼ白・黒・グレー。おそらく、この3色なら組み合わせが自由だし、サマに見えるから、忙しい彼らの理に叶っているのだろう。

他の州のアメリカ人曰く、「ニューヨークに住んでいる人は、歩くスピードも、会話のスピードも、食事の時間もすべてが早い」という。
そして、やっぱり、ジム時間も早かった!!!!

PROFILEプロフィール

横山理恵 ー Rie Yokoyamaファッションエディター

大学卒業後、アパレル会社に就職。その後、ヨーロッパの歳を重ねるほどにカッコよさを増していく大人たちに憧れ、ファッション誌編集者を志す。NIKITA編集部勤務後、フリーランスエディターに。雑誌Domani、VERY、LEONの他、ファッションカタログに携わり、現在、ニューヨークに留学中。FIT(N Y州立ファッション工科大学)にて、ファッションビジネス、ハットデザインを学ぶ。女性誌Domani(小学館)にて『meは何しにN.Y.へ?』連載中。

横山理恵

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