ニューヨーカーは 怠け者 or 働き者?

ニューヨークの郵便局やアイスクリーム屋、カスタマーサービスには、 どの時間帯も、たいてい驚くような行列ができている。

並ぶことが大嫌いなニューヨーカーが多いから「アイス食べる?」と提案しても、「並んでたらやめよう!」と却下される。たまに並んでみると、店員さんの動きの遅いこと、遅いこと…。アイスクリームをすくう動きはもちろんのこと、ただボーッと立って見ているだけの人もいる。しかも、オーダーを忘れられたり、フレーバーを間違えられることもある。「もっと早く動けるでしょ? そしたら売り上げも上がるよ? ここが日本だったら、こんな行列できないし、サービスも素晴らしいよ?」

カスタマーサービスにいたっては、基本、人によって言うことが違う。ちょっと立場が悪くなると、違う部署の電話番号を教えられ、たらいまわしにさせられてしまう。「私の責任じゃないもーん」なんて心の声が聞こえてくるようで、イライラしそうになるものの、「いや、ここは海外だから」とすぐに考えないようにする。(ちなみに、最近は、対応してくれる人の名前を覚え、あなたに力になってほしいのと感情で伝えると、助けてくれるということがわかった)

日本にいた頃よく、”アメリカ人は働かない”と聞いていたけれど、本当にそうなのだろ うか?確かに、真面目に(効率よく?)働かないアメリカ人はいる。でも、日本人以上に働くニューヨーカーも多いと、最近は感じる。

ニューヨーカーは基本、職場の人と仕事後に飲みに行ったりしない。仕事とプライベートはきっちり分けるし、”つきあい”という概念もまったくない。日本にいた頃、同僚と家族的なつきあいをしていた身としては、ちょっとさみしく感じていたものの、最近はそれもいいのかもと思うようになってきた。それは、何人かの働き者のニューヨーカーに出会ってからだ。家族との時間や趣味時間を大切に考え、定時になったら帰宅するものの、自宅で仕事の続きをする人。ステップアップを考え、大学院で勉強する人。仕事の分野の研究をする人etc.。こんな風に一部のニューヨーカーはとってもよく働く。

「なんで、ニューヨーカーって、そんなに働き者なの?」と聞いてみると、「好きなことが、たまたま仕事なの」「頑張って成果を挙げたいんだ」「とくにニューヨークは競争社会だから、そうじゃないと生き残れない」なんて声が多かった。

なるほど、日本の会社の家族的なつきあいはとても微笑ましいけど、シビアにコツコツ頑張るニューヨーカーも尊敬する。当時は同僚と飲みに行き、仕事の話をしていたから働いてる気がしていたけど、もっと個人で努力すべきことがあったのかもと、今になって気づかされる。

PROFILEプロフィール

横山理恵 ー Rie Yokoyamaファッションエディター

大学卒業後、アパレル会社に就職。その後、ヨーロッパの歳を重ねるほどにカッコよさを増していく大人たちに憧れ、ファッション誌編集者を志す。NIKITA編集部勤務後、フリーランスエディターに。雑誌Domani、VERY、LEONの他、ファッションカタログに携わり、現在、ニューヨークに留学中。FIT(N Y州立ファッション工科大学)にて、ファッションビジネス、ハットデザインを学ぶ。女性誌Domani(小学館)にて『meは何しにN.Y.へ?』連載中。

横山理恵

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