スーツ素材の基本

どんな素晴らしい料理も良い材料なしでは成立しません。

 スーツを構成する要素で重要な位置を占めるのが、素材=生地です。生地はスーツの外見、性能、着たときの感覚、すべてに大きな影響を与えます。しかし、ひと言で生地といっても、世の中にはさまざまな種類が存在しますし、どんな生地からでもスーツができるわけではありません。
 スーツに適した生地の代表はなんといってもウールでしょう。いわゆる天然素材で、通気性、保湿性、復元性、耐久性などに優れ、生地の厚さにもよりますが、着用できる期間が長いのも特徴です。
 ウール生地の元になる羊毛は、オーストラリア、ニュージーランド、中国などで育った羊から取られ、糸、生地へと変化していきます。代表的な生地としては、サキソニー、フランネル、ホップサックなどのやや厚手で秋冬向きの素材、トロピカル、ポーラなどといった薄手の素材は夏のスーツ向きといえるでしょう。また、「スーパー120’s」など、数字で生地を表示する場合もあります。これは原毛の細さを表すもので、数字が大きくなればなるほど、細い原毛を使ってつくられた生地となりますが、数字の大きいものは滑らかな反面、高価で実用性には欠ける場合もあります。着る用途に応じて、選ぶべきです。
 ウールとシルク、カシミヤ、コットンなどをミックスさせてそれぞれの特性を生かした素材も人気です。また、表面や糸の段階で撥水加工を施したハイテク素材も登場するなど、雨や湿気の多い日本に最適な素材が日々、研究されています。スパンデックスなど伸縮素材をウールに混紡させた生地もあり、フィット感と着心地の良さを追究したモード的なスーツに適した生地といえるでしょう。
 多くのスーツ生地は専門のメーカーによってつくられます。イギリス、イタリア、日本などが有名で、スーツの袖や内側などに織りネームがつけられる場合が多く、これも一種のブランドとなっています。

Knowledge01 代表的なスーツの柄

ペンシルストライプ
鉛筆で書いたような線が入ることからこのネーミングに。チョークストライプよりも細い。


ピンストライプ
無地の生地に針で打ったような極細の点線が入っているので、この名前が付いた。


チョークストライプ
チョークでひいたような太い線を持つ。英国の銀行マンなどが着るスーツによく見られる。

Knowledge02 代表的なスーツの柄

オルタネイトストライプ
何種類かの色のストライプを交互に組み合わせた素材。組み合わされる色によって表情が変わる。


ウィンドペーン
正方形の格子が「窓枠」に見えることから名付けられた柄。かのウィンザー公が愛した柄だ。


ハウンドトゥース
「猟犬の牙」が語源。日本では「千鳥格子」の名前で知られる。ツィードなどにも使われる柄。

Knowledge03 代表的なスーツの柄

ヘリンボーン
魚のニシンの骨ににていることからこの名前が付いた。日本では「杉綾」と呼ばれることも。


グレンチェック
ストライプを縦横に配した箱型の格子。別名は「グレンプレイド」「グレナカートチェック」。


バーズアイ
柄が小鳥の目のように見えることからこの名前が付いた。無数の点が並んだ模様が特徴的だ。


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