始まりは呉服業界への憂いから メンズ着物界の雄のこれまでとこれから

Vol.31 藤木屋幹助 MIKISUKE FUJIKIYA 株式会社藤木屋 代表取締役 PHOTO:SEIJI SAWADA , TEXT:SHUN NAGAI (dig)


「男性が洋服感覚で、気軽に買えるメンズ着物専門店が無いのでは」。一人の“着物男子”の気づきから始まった藤木屋。2012年にオンラインショップから始まった藤木屋は、今や上野本店に加えて各地でのポップアップショップを開催するまでに。伝統と格式というイメージがある呉服業界で、どのような挑戦をしてきたのか。株式会社藤木屋・代表取締役社長の藤木屋幹助氏に話を伺った。

01.紳士服業界での経験は、呉服屋で活きる


藤木屋創業以前は、大手アパレル企業で紳士服の販売をしていた藤木屋氏。自分でも着用する機会が多かった着物だが、かねてから抱えていた悩みがあった。

「メンズの着物を買うことができる場所が無かったんです。呉服屋さんに行っても、販売されている多くの製品は女性用。男性用があったとしても、数点でした。せっかく着物を買うのなら、サイズも柄も自分が良いと感じたものを買いたいと思ったのが藤木屋を創業したきっかけです。」

ミリ単位までこだわる紳士服業界での経験は、現在の呉服屋でも活かされる部分が多い。藤木屋のお客様一人ひとりに寄り添った接客や、ニーズをくみ取った商品展開は、紳士服時代の知見から生み出される。
「紳士服業界では、裾や袖の長さを調整したり、身体へのフィット感を重要視するのは今や当たり前になっています。私はその経験を呉服業界に持ち込んで、お客様が一番心地よいと感じられるサイズの着物や浴衣を、納得のいく価格で購入できるようにお手伝いさせて頂いています。」

02.“粋”の秘密は、帯の位置にあり


「着物男子」という言葉が聞かれるようになり、夏に浴衣を着る男性も多くなった昨今。かくいう筆者も浴衣を夏に着ることはあるが、何とか着ることはできても「着こなす」には到底及ばない。浴衣を着こなすために、初心者でも簡単に意識できる点はないだろうか。押さえておくべきポイントを藤木屋氏に伺った。

「男性が浴衣を着るときに気にしなければいけない一番重要なポイントは、帯の位置です。予想外かもしれませんが、帯の下が股間にかかるくらいに帯をグッと下げてください。これだけで浴衣姿が様になります。次に気をつけなければいけないのは、裾しぼまりのVラインを意識するということです。上半身はゆったりめ、下半身はぴったりとさせるのが浴衣を着こなすポイントです。」

藤木屋では、着付けの動画を公開している。(動画はこちらから)夏直前のいまの時期、”粋”な浴衣の着方を予習しておくのも良いだろう。

03.全国の”浴衣男子”の助け舟に


ユーザーのニーズに応える商品展開と、紳士服販売で培った接客とサイジングで、順調に拡大を続けてきた藤木屋。呉服業界の革命児と言える彼らが見据える次の展開とは。

「現在は上野の本店と、各地で期間限定で開くポップアップショップが主な販売場所になっていますが、全国に常設の店舗を持てればと考えています。当時の私のように着物を着たいけど買う場所がないと困っている方が全国にはたくさんいるはずです。そんな方々にも、藤木屋の着物・浴衣を提供できたらと考えています。」

全国展開を望む藤木屋。女性からの要望も多くなってきたと藤木屋氏は語る。
「メンズ着物専門店と銘打っているのにも関わらず、女性からのお問合せも多く頂いています。手ごろな価格帯で、質のいい着物や浴衣は女性にもニーズがあると思っているので、今後はレディース商品も展開できたらいいですね。」

衣装協力をすることも多いという藤木屋。テレビや雑誌で藤木屋の着物や浴衣を目にすることも増えてくるだろう。夏の近づきを感じる今日この頃。ぜひ一度藤木屋を訪れて、その着心地と「着こなし」を体験してほしい。

PROFILE プロフィール

PROFILEプロフィール

藤木屋 上野本店

〒110-0015
【常設店舗】東京都台東区東上野3-39-9
TEL 03-5818-6881

営業時間 11:00-19:00
定休日【2019年6月〜9月は定休日無し】
*JR上野駅中央改札浅草口徒歩3分
*東京メトロ上野駅一番口徒歩1分
公式ホームページはこちらへ→


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