熊本から世界へ 人々の想いを照らす竹あかりを日本の文化に

Vol.32 三城 賢士(KENSHI MISHIRO)  CHIKAKEN 竹あかり演出家 PHOTO:SEIJI SAWADA , TEXT:SHUN NAGAI (dig)


10万人以上が訪れる祭のプロデュースから、地域の子供たちとのワークショップまで、CHIKAKEN(ちかけん)の竹あかりによる空間プロデュースは、ある時は会場を盛り上げる灯りとして、ある時は人々を癒す灯火として全国各地に広がっている。そんな活動をスタートしたきっかけとこれからの展望を、CHIKAKEN 竹あかり演出家の三城賢士氏に伺った。

01.地元に根付く「灯」に魅せられて


三城氏が「竹あかり」に出会ったのは、彼が熊本で過ごした大学生時代だった。竹あかりの何が彼を魅了したのだろうか。

「大学生の時に所属していた研究室の活動で竹あかりに出会ったのですが、こんなにも温かくて優しい灯があるかと驚くとともに、一気に魅了されました。この灯りを全国に広めたい、色々な人に知ってほしいというのがCHIKAKENを始めた大きな理由です。」

熊本でスタートした竹あかりによる空間プロデュースは、設立から13年が経過した今、全国的な広がりをみせる。なぜ多くの場所で竹あかりが必要とされるのか、三城氏は竹あかりのもつ灯りの特性を語る。

「竹あかりの灯は、どんなシチュエーションでもマッチするのが大きな特徴だと思っています。結婚式やパーティーなどの祝いの場に花を添えることができるのと同時に、鎮魂祭や慰霊祭の場で、人々の気持ちに寄り添うような灯りをともすことができるんです。そこが竹あかりの良さであり、その良さを活かして空間をプロデュースするのが私たちCHIKAKENです。」

02.竹あかり作りで磨かれる創造性


CHIKAKENは竹あかりによる空間プロデュースだけでなく、子供から大人までが楽しめる竹あかり作りの体験教室やワークショップを開催している。ワークショップを開催していくことで気づいた、竹あかり作りの学習の場としての魅力を三城氏に語ってもらった。

「竹あかり作りは、竹にデザインを書いて丁寧に穴開けていくという作業が主なので、一見するとすごくシンプルに思えるかもしれません。ですが実際には、曲面に穴を空けるので注意が必要ですし、中から灯りが漏れ出した時にどういう風に見えるのかをイメージしながらの作業になります。想像力が必要な作業ですし、1から何かを作るという経験ができるので子供にはすごくお勧めですね。他にも大きな竹あかりの制作だと、人との協力が不可欠になってきます。誰かと一緒に何かを作るという体験は、大人にこそ必要な経験なのではないかと私は思っています。」

03.竹あかりが照らす先


「竹あかりって日本の伝統文化、例えば歌舞伎だったり能みたいな文化とすごくマッチするのはみなさんご想像ができるかと思います。」

そう語る三城氏は、伝統や和という枠にとらわれない竹あかりの展開を見据えている。

「そういった和のイメージがあるものとのコラボレーションはぜひ実現したいと考えています。それと同時に、ULTRA JAPAN(10万人以上を動員する国内開催のダンスミュージック・フェス)のようないまどきの文化とはこれからもどんどんコラボレーションをしていきたい。それができるのが竹あかりの良さであり、CHIKAKENとしての挑戦でもあります。」

竹あかりによる空間プロデュースの第一人者として歩んできたCHIKAKEN。「第一人者だからこそ、今までと同じことではなく誰も想像していなかったようなことをやっていきたい」と語る彼らは、この夏も様々なイベントや祭での活動が控えている。元号が変わり、2020年の東京オリンピックに向けて走り出す日本を照らす存在になることを期待せずにはいられない。

PROFILEプロフィール

CHIKAKEN

崇城大学にて出会った、「ちか」と「けん」を中心としたユニット。共に師事した内丸惠一先生の提唱する「まつり型まちづくり」をベースに、竹に穴を開けてあかり(ろうそくやLED)を灯す「竹あかり」の演出制作・プロデュース会社「CHIKAKEN〈ちかけん〉」を、2007年4月に設立。熊本を拠点に全国各地で「竹あかり」を灯し、その土地にしかない“風景”と“物語”を創りつづけている。  「人と人・人とまち・人と自然」を繋ぐ「竹あかり」が一過性の「事業」として消費されるのではなく、新たな日本の「文化」として受け継がれることを目指している。

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熊本県玉名郡南関町関町1411
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